Ah! 電気代

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うちは、レンタルサーバと同じくらいの売上を誇るデータセンタービジネスをやっていますが、この猛暑である問題が顕在化してしまいました。
それは何かというと電気代。

自宅サーバをやっている方が、実は自宅サーバにおいては電気代(空調費含む)が馬鹿にならないことに気づき始め、さくらの専用サーバをはじめとした、外部にサーバを設置できるようなサービスを利用し始めています。
しかし、電気代や空調代がかかるのは自宅に限らずデータセンターにおいても同じこと。この猛暑による電気代の増加にはほとほと参りました。
特に、最近はサーバの消費電力が増え、8年前のサービス開始時と比較して1.6倍〜2倍くらいになってしまってますから、電気代だけで1.5倍以上になっているわけです。

さらに、この夏さくらインターネット池袋iDCにおいて空調機を増設しました。
サーバの台数+消費電力の増加に伴うものでしたが、これもさらに上昇要因となっています。

というわけで、本日関西電力でも東京電力でもない電力会社を呼んでみました。
平成12年より特別高圧(2万ボルト以上)の電力について自由化となり、自由に電力会社を選べるようになりました。うちの場合、サンシャインiDCの場合などは難しいのですが、池袋iDCなら特高受電なので選択肢が広がることになります。
ただ、新規参入事業者にとって、値下げするにも大きな問題があります。それが電気の託送料金。
通信と違い各戸に個別の電力線を入れることができないため、需要家に直接販売することができず、どうしても電力会社に委託しなければ新規参入事業者が売電できないのです。

電話線や光ファイバーの場合ならわかりやすいですよね。
ご家庭でのADSLの場合は周波数を分けて電話とIPを同時に乗せますし、マンションなどで光ファイバーを複数本入れて物理的に別伝送路とすることも可能です。
しかし、電気の場合はそうもいかない事情があります。
なにせ周波数が西日本なら60Hzと決まっているわけなので、周波数を分けて電力会社毎に多重化することができません。
また、電線は、光ファイバーのように線が細くないですし、複数本をただ密接して束ねるようなことをすると火災の可能性もあるので、複数本の電線路を敷設することも難しいということになります。

こういったことから、新規事業者は既存電力会社の線路と接続して送電し、需要家までの全ての線を電力会社に借りることになります。この際、電力は通信と違い混合してしまうと分離ができないので途中の線路だけ自己負担ということはできません。(日本テレコムが東西間だけ新幹線の脇に光ファイバーを通しているように)

また、新規参入事業者の発電設備が停止した場合でも、契約需要家のみを停止するということができないので、異常発生時は既存電力会社が代理供給しなければならず、そのリスクに対する保険料のようなものを、新規参入事業者が既存電力会社に払わなければならないということも託送コストを上昇させる要因になります。

この先、どこまで電気代が下がるか判りませんが、電力供給という物自体の仕組みが抜本的に変わらなければ、既存電力会社のコスト体質から逸脱できず、通信費ほど下げることはできないのは明白です。
NTTの接続料問題とは似て非なる、解決しがたい、でも大きな問題であると考えています。

※託送の仕組みについては、内閣府の提供する「公共料金の窓」の電気料金の項目内にある「新しく電気事業に〜」の所に書いてあります。

公共料金の窓: http://www5.cao.go.jp/seikatsu/koukyou/