ダンボール肉まん@Youtubeは、アクセス制限された

昨日から上海へ出張しています。
こちらのほうでも、北京のダンボール肉まんは話題のようですが、Youtubeで流されていた動画にはアクセスができない状況であることがわかりました。
たまたま、今日のホット動画を見ていたのですが、「【中国産品的危険】中国の「段ボール紙詰め肉まん工場」にテレビカメラが潜入 01」へアクセスしようとしたところ、動画だけ出てこない状況。おかしいなと思いリロードすると、案の定Youtube自体へのアクセスができなくなってしまいました。

こんなの規制しても意味がないんじゃないかと思うわけですが、今日もせっせとアクセス制限のようです。
ご苦労なことですね。

ところで、最近の報道を気にしたわけではないですが、昨日の夜は行きつけの日本食でした。;-)



また中国からウィキペディア(Wikipedia)が見れなくなった

中国の大陸からはWikipedia(ウィキペディア)が見えないことを皆さんご存知ですか?
最近、検索キーワードの上位にも上がる、ボランティアベースの百科事典「Wikipedia」ですが、中国共産党や中国政府、人民解放軍のことなど、書いてある内容が正直すぎて、中国の大陸からはアクセス制限がされています。
なお、11月頃に一度見れるようになったのですが、先ほど上海からアクセスしたところでは、見えなくなっているようです。(リモートデスクトップで日本からアクセスすると問題なく見える)
なぜ、一瞬見えるようになったのかは謎ですが、いづれにせよ今見えないことは確かです。

CNETの2006/11/14 の記事によると、「中国、ウィキペディアの規制を解除--中国本土ユーザーの新規登録が殺到」とありますが、確かに前回の出張時(2006年11月8日?18日)にはアクセスできました。また、多くのブログにおいて、このことが紹介されています。
ところが、今ではもうアクセスを行うことは出来ません。
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20314347,00.htm
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0611/15/news068.html

既に、中国の若い人たちの一部は歴史について向かい合う姿勢を持ってきており、このような規制が流れを止めることは不可能です。「歴史は権力者が作る」という歴史にピリオドが打たれる日への、カウントダウンも始まっているのかもしれません。

なお、開放を喜んでいる記事も多かったようですが・・
http://blog.livedoor.jp/chinatalknet/archives/51068693.html (中国からウィキペディアにアクセスできるようになった)
http://ch.livedoor.biz/archives/50456248.html (インターネット規制が緩和??)

中国でサーバーやデータセンターを借りるということ

今回、インプレス社から発行されている「インターネットデータセンター完全ガイド」の特集2、「中国iDC&ネットビジネス事情」に記事を執筆しました。もう発売されていると思いますので、機会があればぜひご覧下さい。

最近になって、中国でのインターネットに対する検閲について、日本でも知られるようになりました。中国では、通信が全て監視され、政府の判断によって閲覧できるウェブサイトに制限がかかっており、中国からの国際回線において特定のサイトがブロックされることがあります。(不適切なサイトを閲覧すると、突然TCPのRSTパケットが飛んできて、中断させられることも・・)
また、日中間の回線には帯域の余量があまり無く、常に遅い状況が続き、10MBのファイルを転送するのに2時間も3時間も掛かることは決して珍しいことではありません。

以前であれば、中国に進出している日系企業の多くが「工場」として中国を見ていたため、このような制限もさほど問題視されませんでしたが、サービス業を初めとした「市場」としての中国の見方が増えるにつれ、このインターネットの接続性の問題がビジネスに悪い影響を与え始めました。
中国に居られる日本人の方々も、最初はホスティング会社やISPへクレームをつけるわけですが、最終的にはどうしようもないことが起きているのだと認識します。だから、みんなそんなものなんだろうと、妙な納得をしてしまっているのが実情といえるでしょう。

しかし、日本人が中国から日本へ遅い分には我慢できますが、中国人が中国から日本のホームページをみて「遅い」ということになれば、それが企業のホームページであった場合に、大きな損失となります。
例えば、中国人が日本へ旅行しようと「日本旅游」と検索したとして、出てきたサイトがとてつもなく遅かったとするなら、別のページに行こうとするでしょう。
日本では、2秒サイトが開かなければ別のページに行くとも言われますが、中国においてもなかなか出ないページより、直ぐに出るページに行ってしまうのは当然のことです。
ましてや、そのサイトは日本側が知らない間に、中国からブロックされているかもしれません。事実、中国に批判的な読売新聞はしばしば特定の記事にアクセスできなかったり、でも朝日新聞にはアクセスできたりということは、良くあることです。

ちなみに、中国では全てのウェブサイトを登録(ICP登録)しなければならず、登録が無ければサイトの閉鎖命令を受けることがあります。また登録をしている場合には、不適切なサイトがあった際に、事業者が公安などから指導を受けることになります。
逆に日本にサイトを設置している場合には、中国の法律の適用外ですから、このような命令や指導は来ませんが、一方的に中国からのアクセスが封鎖されてしまい、そのホームページは中国から消されることになります。そのホームページが中国に向けた情報発信をしていたとするならば、事実上閉鎖されたと同じ状況となるわけです。

このように、中国大陸の人々へ情報発信をしたければ日本から発信するということは、大変リスクのあることといえます。例えば、大阪市の中文版ウェブサイトも、日本にサーバーがある限り、いつアクセスが出来なくなるか、わからないわけです。


最近になってGoogleは中国国内にサーバーを設置し、下部に「京ICP証050124号」と掲示するようになった
その為、最近では国際回線を経由しない中国国内にサーバーを設置して、ウェブサイト・ホームページを開設することを検討する企業が増え、ICP登録ももちろん行うようになってきました。 こうすれば、アクセスがブロックされることもありませんし、もし誤って不適切と判断されるコンテンツを設置しても、公安からの連絡によりその部分だけアクセス制限をして済ませられます。 また、以前では中国にサーバーを設置していて押収された話も多かったのですが、最近ではICP登録の制度がかなり整備され、きっちりと管理している事業者を利用すれば、該当コンテンツを排除するだけでよくなります。

ところで、このような対策をしても悪意を持った人が不適切なコンテンツを公開し続けることもあり、このようなことが続くと、結局はサーバーを押収されてしまうことになります。そのため、事業者はキーワードでマッチさせたり、人が確認したりして、不適切なコンテンツをつぶす作業を地道にやっています。これが、いわゆる事業者による検閲で、MSNやGoogleでもこの行為が行われており、米国の議会で物議をかもした事件に繋がっています。
しかし、このようなことを行わない限り、サーバーを押収される現状が目の前にある中国においては、これも致し方ない状況なのでしょう。きっとやっていない事業者は、よほどずぼらか、人権家なんだろうと思いますが、そのうちサーバーは押収されて無くなってしまいます。厳しい現状です。

中国に行くと、日本には無いルールがたくさんあります。
中国に向けて情報発信を行う場合に、中国でサーバーやデータセンターを借りるということは、重要なことです。でも最も重要なことは、その現状を正しく理解しどこにリスクが潜んでるかを判断し、決してチャイナリスクという言葉で失敗を取り繕わないことだと思います。

コマーシャル
さまざまな中国におけるインターネットに関するリスクの分析に、さくらインターネットは協力します。 また、日本の事業者の方に向けた、私たちのノウハウを共有していただけるような、さまざまな提携プログラムも用意していますので、ぜひお声掛け下さい。
お問い合わせ先:さくらインターネット カスタマーセンター

中国におけるフィルタリングの実際

先週のBlog記事において、「中国のインターネットはフィルタリングが徹底的に」と銘打ち、中国のフィルタリング事情を解説していました。
→ 4/22の記事「中国のインターネットはフィルタリングが徹底的に

そのほかのサイトでも、いろいろと紹介されているようですが、先日の4/22に上海からの帰国前に少々時間があったため、検索などの実験してみたのですが、その結果まとめてみました。

まず、中国共産党がもっとも神経を尖らせているもののひとつ「中国労働党」について検索を行う実験をしました。右の画面は、労働党の中国での表記である「工人党」を Google検索したものです。
見た限りでは、特に制限を行われていることも無く、通常通り表示がされています。

先ほどの場合は、ただの労働党だけだったので、世界各国の労働党が出てしまいましたが、今度は「中国工人党」という文字列で検索を行ってみました。
すると、やはり問題なく表示されます。
ただし、先ほどと異なるのは、なにやら怪しそうな中国政府に不利益をもたらしそうなfreechinaなるURLが、検索結果に見えてきました。こんなものを中国政府は容認するのかいと思いつつも、問題なくリスティングされています。

そこで、実際の内容を覗くべく、Googleのキャッシュを覗いてみることに。
・・・
すると、なんということでしょう!ページが表示されないではありませんか。
中国に持っていっていたのがノートパソコンであり、実際にどのようなパケットが返されたのか分からず、大変残念な思いをしたのですが、とりあえず、表示されないことだけは確かなようです。
ちなみに、VPNで会社に接続して確認したところでは、問題なくキャッシュが表示されます。
日本の皆さんも大丈夫かと思います。→Google検索

次に、最初検索した「工人党」を再び検索します。
すると、なぜか出てこなくなりました・・・。

おまけに、「共産党」と検索しても表示されません。そのほかの日本語キーワードまでが検索できなくなってしまいました。
HTTPアナライザがあれば詳細が分かったのですが、タコのMSIEなのでエラーがまったく分からないのが残念です。

しかし、トップページは表示されるのに、全ての検索ができないとは変です。
なぜだろうと思い「フィルタを行っている機器はL3〜L7に対応したスイッチ式のセッションでの判別をするタイプではないか」と仮定し、ブラウザを再起動することにしました。
セッション管理の場合には、既に開通しているセッションについては制限が掛からず、新規のセッション(新しい接続)に対してのみ制限が掛かるということにも説明がつきますし、MSIEのキープアライブタイムアウトを考えると無い話ではありません。

そこで、ブラウザをいったん終了し立ち上げなおしてみました。
私のMSIEは、ホームをGoogleにしているのですが、見事なまでにエラーとなってしまいました。
やはり先ほどの仮定は正しいようです。私のIPアドレスからは、Googleを使えなくなってしまいました。
ちなみに、VPNで会社に接続すると、Googleはちゃんと表示されています。

中国のインターネットはフィルタリングが徹底的に

→ 2005/4/26 Part2ができました「中国におけるフィルタリングの実際

中国では、体制批判やアダルトコンテンツに対する規制が、他国に比べて徹底していることは、皆さんご存知のことかと思います。また、報道機関には必ず国家安全局の職員が詰め、報道は中共によって驚くほど「適切」な対応がされているのも有名な話です。

そのような中にあって、中国においてはインターネットに対するフィルタリングが、徹底して行われていることはご存知でしょうか。
Googleで検索すると・・・

もちろん、中国から国外への閲覧制限が存在することは、知る人も多いと思いますが、予想をはるかに超える国家レベルのシステムが構築されていることは、あまり知られていません。
いま、中国においてホスティングを展開しているのですが、日本国内に存在するさくらインターネットのデータセンターに存在するサーバが、しばしば「中国からのみ」アクセスできなくなります。これは、バックボーンレベルで行われるもので、ブロックされた日本側のサーバから中国のIPへtracerouteを行っても、如何なるIPに対してもアクセスはできません。

詳しい方は、追記の(1)〜(4)をご覧になればわかりますが、IPがブロックされると日本側からのパケットは中国本土に上陸後にすぐ封鎖され、水際で排除していることがわかります。また、中国のホテルのインターネットからは、5ge2-ip-gb-012.online.sh.cn [218.1.4.137] において、経路が振り分けられ、最終的にはパケットが到達できない旨の表示がなされます。

インターネットにおいては、さまざまな方が推測をかかれていますが、フィルタは国際ゲートとアクセス集約ポイントの2種類で行われていると考えられ、フィルタの操作は国家安全局の職員が行っているそうです。これにはキャリアの担当者が関与することができず、どのIPにフィルタが掛けられたか、理由が何かということは知らされることがありません。
なお、国家安全局はこのようなことが行われていることは公にしておらず、直接コンタクトを取ることができません。唯一出来るとすれば「度が過ぎた行為による強制捜査の際」だけです。

ちなみに、中国においては、アクセス系の事業者は必ずフィルタ装置を設置し、それを国家安全局の職員が操作できるようにしなければならないようで、且つアクセス系の免許は内国会社にしか発行されない状況であり、外国会社が半分以上を出資する場合は内国会社でも免許は発行されません。
さらに、中国から海外への接続を持っている会社は、北中国のCNC(China Netcom)と南中国のCT(China Telecom)のみであり、これらの会社は国営企業です。

このように、確実なブロック体制を敷き、キーワードベースの監視を行い、問題があった場合はすぐに全国の拠点へ連絡し、すぐさまアクセスが封鎖されます。
また、監視対象のドメインの場合は、Aレコードの向き先を常に追跡し、変更された場合はすぐにフィルタが行われます。
たとえば、警戒対象のキーワードがマッチすると、早い場合には数分後にフィルタが行われるため、ほぼ確実にアクセスは封鎖されることになります。

最近では、フィルタリングの傾向を中国内のホスティング会社が追跡し、自社で同様の対策を行って、ブロックされることが無いような対策を取ることも増えてきました。もちろん、海外にあるサーバとは違って、中国内から中国内へのアクセスについてはすぐさま封鎖されることも無いようですが、国際ゲートのみならずアクセス集約ポイントで封鎖する態勢がすでに整っていますし、悪くすれば公安が直接やってくることになるので、やはり敏感にならざるを得ないようです。
すなわち、ホスティング会社が国のブロックに加担せざるを得ない状況が醸成され、フィルタと言論統制のシステムは、極めて正確で充実したものとなってしまっている状況です。

社会主義には無いような自由があるようにみえても、体制批判、チベット問題、アダルトには、驚くほどに確実な体制が敷かれ、とてつもなく深い黒い影を垣間見たように思いました。