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さくらのVPS提供開始にあたり

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本日より、さくらインターネットの新しい柱となる仮想化サービスの第一号として、さくらのVPSを販売開始することとなりました。

さくらのVPS お申し込み受付開始のお知らせ

皆様からは「えっさくらがVPSをやるの?」という声も多く頂いており、その反響の大きさに驚いています。
そもそも、昨年あった@ITの取材においては「劣化専用サーバとなるVPSはやらない」と豪語しており、同業者の会合でも「さくらはVPSやらない」と宣言していました。

大阪・堂島に、さくらインターネットの秘密を見た ?自前だからできる本当の差別化
http://www.atmarkit.co.jp/ad/sakurainet/200905/doujima.html

その理由としては、仮想化を行うより、専用サーバでとことん安くしたほうが良いのではないかという考えがあります。
コンソール機能や再起動などはIPMI(Keyboard VGA Mouse = KVM)によって専用サーバでも実現できますし、さくらの専用サーバについては、翌営業日納品も実現していますから、仮想サーバで無いとできないと思われていることも実現が進んできています。
また、仮想化することはオーバーヘッドを生むことにもつながり、CPUパワー度無駄にする側面もあります。

しかし、仮想化には代えがたい優位性があることも事実です。
例えば、専用サーバアドバンスドプランのQuadCore Xeon×2CPU構成の場合、初期費用無料で月額35,800円ですが、仮想化して8分割すれば1コアあたり4,475円となります。低価格専用サーバはAtom Z530を4,500円程度+初期費用で提供予定でしたが、ATOMの1コアとXeonの1コアだと仮想化のオーバーヘッドを考えてもXeonのほうが高速であり、さらには安価に提供できるという状況になってしまいます。
私自身がやっている某サイト(とある櫻花の画像生成)においても、データベースやリバースプロキシ、画像配信などを、仮想化を使って複数のサーバに分けて運用することにより、アクセス急増時も効率よくサーバ運営が出来たという経験があり、比較的安価にサーバ分割が出来る仮想化の利便性を知ることになりました。

結局、既存形態のサービスに固執するがあまり、さくらインターネットが本来強みとしていたITリテラシの高いユーザへのサービスへの魅力が薄れ、そのようなユーザが海外のクラウドや格安VPSへ流出し始める状況に至ります。

このような事から、仮想化の推進を行い、さらにVPSやIaaSへの拡大を進めていくことを決断し、第一号としてさくらのVPSを提供開始することとなりました。
4月末に「VPSやるぞ。でも全て自社開発で」と突然言い出してから、2カ月程度でベータ提供にこぎつけたのは社員の頑張りのおかげでもあり、大変感謝しています。
今後は、専用サーバのさらなるスペックアップと並行して、仮想化による柔軟性や手軽さを追求したサービスを拡大していきます。

なお、さくらのVPSの登場で既存の専用サーバが売れなくなるのではという意見もあります。
この意見については当然の事ですし確かに大きな影響があると考えていますが、今回のVPSを始めるにあたってはそのような影響を一切無視してサービスづくりを行いました。
専用サーバが売れなくなるのであれば、それは専用サーバの魅力が薄れていただけの話であり、その様なサービスは遅かれ早かれ他社(または海外)に駆逐されるだけだと考えています。

先にシェアを取っている会社は常に既存の売り上げとのバランスを考えがちです。
しかし、さくらのレンタルサーバにしても、専用サーバプラットフォームSTにしても、常に既存の売り上げに固執せず、新しい柱を創ることへ注力してきました。
ですので、今後も性能、品質、サポート、価格など全ての面に妥協することなく、さくららしいサービスを創っていくことを皆さんにお約束します。

ところで、さくらインターネットでは石狩へのデータセンター建設を進めております。
クラウド化する中で、インフラのコストパフォーマンスはさらに重要になってきており、高いコストパフォーマンスを実現できる理由としてのインフラ追求はますます必要です。
しかしながら、重要なのはインフラだけでなく上に乗るサービス自身もだと考えています。
今後は、インフラに、サービスに、全てのレイヤーを自前で行えるという強みを伸ばし、さらなるサービス拡充に努めてまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

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コメント(1)

はじめまして
いつも記事を楽しみにしている者です。
石狩のデータセンターには石狩独自で回線を確保される予定なのでしょうか?
それとも既存のさくらインターネットの大容量バックボーンに接続されるのでしょうか?(大手町DCと専用線接続とか)

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自己紹介

本名:田中邦裕/1978年生まれ
1996年にさくらインターネットを創業しホスティングサービスを開始。 98年に有限会社インフォレスト(2000年に解散)設立後、翌年にさくらインターネット株式会社を設立して社長に就任。
05年に東証マザーズに上場
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このブログ記事について

このページは、田中邦裕が2010年9月 1日 16:30に書いたブログ記事です。

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