大阪の街

先日、北浜にある三越百貨店大阪店が閉店しました。315年という長い歴史が閉じられた時でした。
店は早速看板がはずされ、今日通りがかったときも工事の真っ最中でした。

その昔、大阪の堂島や中之島の界隈には、住友家や鴻池家といった豪商の蔵屋敷が立ち並び、天下の台所という名に恥じない商いの町となっていました。また、また、豪商の淀屋邸前では、米手形を基にした米市が開催され、その手形を転売することによる先物市場が形成されていったといいます。
このように大阪の地から、日本独特の商習慣が形成され、世界と比べても恥じない市場経済が生み出されました。

しかし、大阪という町自体、江戸時代の終焉と共に、衰退の一途をたどります。
1年ほど前、JR大阪駅の構内にある日本旅行の店舗内で、菱垣廻船を紹介するパネルが掲示され、大阪の昔の姿を紹介していました。その写真の中で、大阪の街は発展途上ながらも、力強さを見せ付けていました。多くの蔵が立ち並び、商人は事あるごとに祭りだ宴会だと、遊びまわります。もちろん、多くの演劇場が設けられ、楽しんだようです。
たまたま、一緒にパネルを見ていた年配の方(年のころ80歳くらい)が、パネルを見ながら大正の時代の話をしてくれました。そのころでも、まだハッピを着た人たちが、気忙しく働いていたそうです。しかし、そのころに比べて、すっかり大阪の街は活気がなくなったとおっしゃってました。

明治時代の始まりと共に、商売の中心は東京へ移り始め、終戦後は、企業の本社上京が加速することになります。さらに、バブル景気の崩壊と共に止めを刺された形となり、銀行系の本社まで東京になりました。
住友家の流れを汲む住友銀行は、さくら銀行と合併して旧三井銀行の本店へ移り、鴻池家の流れを汲む三和銀行も、UFJ銀行として名古屋に本店を移すことになってしまいました。

現在、大阪市より横浜市のほうが人口が多いとはいえ、事業所数などの商業規模としては大きな差をつけています。また、財源についても、大阪府を上回る大きな予算を持っています。ポテンシャルも、まだ他の地方都市と比べると高いといえるでしょう。
ただ、以前は東京=大阪という構図は、すでに大阪=他の地方都市になりつつあります。そもそも、USなどと違い、日本は狭い国です。ましてや、東京と大阪は600kmしかはなれておらず、他の大国からみれば、距離的には衛星都市です。

もちろん、今でも大阪の文化や商圏としての可能性は、捨てきれないものがあります。しかし、中心を担うべき大阪市が、目先の汚職で職務執行停止状態になってしまい、打破できる見込みが見えてきません。
前出の横浜市の場合、独立した商圏としてはそれほど大きくないわけですが、中田市長がベットタウンとして暮らしやすい環境作りに邁進していると聞きます。私の実家も横浜市なので、保育所の状況や老人介護の話を聞くにつけ、大阪市より進んでいる実態を実感します。(私の母自体が、横浜市の嘱託で、ヘルパーを行っているようです)
結局、商都としての発展策に乏しく、且つ住民に対しても適切な対処が出来ていない今、大阪の行く末に一抹の不安が残る状況となっています。

私は経営する本社を大阪市に設置しているわけですが、大阪に設置していて得をしたということは、想像しても特に出てきません。むしろ、東京に設置していれば、何らかのメリットがあったかもしれません。しかし、将来の展望が開けるかもしれないという期待を込めて、もう少し大阪でもうすこしがんばりたいと思います。

と、大阪の象徴である三越の看板を下ろされている現場を見て、つい思いにふけってしまいました。

PS.
下記の写真は大阪市役所の玄関ですが、浮浪者がたむろしています。東京でも浮浪者はいますが、玄関前に陣取っている人々を見ていると、考えさせられるものがあります。

コメント(1)

たんろん

初めまして
今読ませて頂いていろいろと、考えてました。
ほんまに全カテであきまへんな、スーパーもダイエー、マイカル(旧ニチイ)と一昔前には、日本で一番と二番でしたのに。
野球も南海、近鉄ともに消え去り、関空は名実共に日々沈んでいってます。(おわかりですよね)
原因については、いろいろとあるんでしょうが交通アクセスの悪さも大きな要因でしょうね。
大阪市交通局の唱えた、大阪市モンロー主義が良くなかったようですね。
東京近辺のようにもっと早い段階で、市交通局と各民鉄が相互乗り入れ等を積極的に推進していれば、良好なアクセス網が構築できたはずなんですが、大阪万博がいい契機だったんですがね。
市交通局が第三レール集電方式を採用したのが、大間違いだったといえます。
それとわざわざ各民鉄と競合する為の路線の延長を推し進めた結果、共倒れになってしまっている現状。
京阪も意地になって中ノ島新線の工事を推進してますよね。
南海は御堂筋線に乗客が流れるのを阻止せんが為に、利用客の利便性を無視してでも中百舌鳥に急行を停車させないし。
倒産寸前のくせに、井高野新線の工事を推し進める市交通局。
何が言いたいのか良くわからなくなってきました。
今日はこの辺でやめときます。