カントリーリスク

今日は経営会議がありました。
うちの会社では、月に2回全役員を招集して、全般的な話し合いを行う経営会議と、決裁や方針決定などを行うための役員会を行っています。本日もいろいろと議論を行ったのですが、やはり問題としてあがったのは、海外展開している事業についてのことです。

先日の中国のインターネット事情でも述べましたが、中国においては共産党の一党独裁という政体で、徹底的な情報のコントロールが行われ、制度等についても急激な方針転換や基準変更などが起こりえます。また、日本人の感覚で正当と思われる主張が受け入れられないばかりか、なんでもかんでも金で解決するような腐敗した土壌が渦巻いているとも聞きます。
そのほか、それぞれの国にそれぞれのリスクがあり、体制の安定性から異議申し立てに対する紛争解決制度の整備まで、いわゆるカントリーリスクに囚われます。
もちろん、日本に参入する外資系企業も、「日本という国のリスク」を受容しています。

このような中で海外でのビジネスを行うことは、成功時の感動をより大きなものにしてくれますが、ともすれば「○○という国は、△△△という特別な事情があるから難しかった」などと、失敗の理由に「カントリーリスク」を持ってきがちです。
国は違えど、多くの物品やサービスは、ほぼ同じものが販売されます。もちろん販売方法は異なりますが、「売上を上げる」という観点では、どの国でも事情は変わりません。自らの手法を見誤ったのに、カントリーリスクに原因を求める。このような会社が日本には多く、特に中国ビジネスに対しては、そのような見方をする人が多いのではないでしょうか?

もちろん、中国の人の持つ知的財産権に対する姿勢が、いわゆる先進国より後退していることは疑うべくもありません。実際に経験した話ですが、中国において展開しているサーバサービスにおいてWindowsを導入するときの話でした。当社としては、マイクロソフトとパートナーなので、月々○○円程度の安価でライセンスのレンタルができるという話をしましたが、「中国でサーバOSにライセンス料を払う人は居ない。うちが払ったら他社より原価が上がる」とのことでした。中国の常識は世界の非常識であることを懇々と伝え、結局は当社が関与する場合にはライセンス料をちょろまかす事は一切是認できないといいました。

また、最近の日本製品へのバッシングもありますが、実際にはそれほど敬遠しているようにも見えません。SONYなど日本ブランドを前面に押し出し、品質が良さそう(実際はそれほど良くなくても)に見せかけるような販売をしている事業者は軒並みダウンしているようですが、そうでない日用品などではコンビニでもいまだに普通どおり販売されています。販売が抑制された商品についても一過性のものであることは明らかです。
それを、『買わないといった中国人の声』だけを日本で報道するようなマスコミの姿勢があることから、不安が増大することになるわけで、報道では何人にインタビューしたかなどまったく公表せず、買わないという意見だけを流すことから、中国10億人以上がそう言っているように捉えてしまうだけといえるでしょう。
余談ですが、福知山線の事故でも、生中継なら被害者や遺族からのマスコミに対する批判も聞けましたが、報道ステーションやニュース23で流されるときには、都合よく編集されていました。

ここまでは、中国の一例を出しましたが、どの国であれど事情はあります。
ただ、体制転覆など、究極のカントリーリスクの具現化さえなければ、販売したい対象物に対して需要のある国なら、失敗してもそれほど傷が残るようなことはありません。
それに問題が発生するのであれば、やはり自らのリスク管理ができていなかったと憂うべきで、その国に対する憎悪としてひけらかす事は、大変恥ずかしいことです。
私たちも、諸先輩の悪しき前例を参考に、がんばらなければなりません。